年齢を重ねるにつれて、ファッションの悩みは尽きないものです。特に「何を着たらいいのか」という問いは、多くの方が直面する課題でしょう。実は、服の形やデザインだけでなく、色選び一つで人の印象は大きく変わります。若々しさや活力を引き出すこともできれば、反対に疲れて見えたり、顔色をくすませてしまったりすることもあります。
ここでは、50代の方がファッションに取り入れる色について、避けるべきポイントと、より魅力を引き出すための賢い選び方を解説します。これらの知識を活かし、自分らしいスタイルを見つける手助けとなれば幸いです。
50代が避けるべき色の基本ポイント
肌のトーンをくすませる色の特徴
年齢とともに肌の色は少しずつ変化します。特に注意が必要なのは、顔色をくすませてしまう色です。例えば、黄色みが強いオークル系の肌の場合、同系色のベージュやグレー、カーキといった色は顔のトーンをぼかし、疲れた印象を与えがちです。
こうした色は、肌の透明感を奪い、影を強調してしまうことがあります。鏡で自分の顔と服の色を合わせてみて、顔周りが明るく見えるか、それとも暗く見えるかを確認することが大切です。
年齢を強調してしまう暗い色
黒や濃いネイビー、ダークブラウンといった暗い色は、シックで落ち着いた印象を与えますが、全身をこれらの色でまとめると、どうしても重い印象になりがちです。服の面積が大きいほど、その傾向は顕著になります。
また、素材に光沢がないと、より重く、疲れた印象に見えることもあります。暗い色を着る際は、どこかに明るい色や光沢のある素材を少量取り入れることで、軽やかさをプラスできます。
派手すぎる原色の注意点
鮮やかな赤や青、黄色といった原色は、若い頃はエネルギッシュな印象を与えてくれますが、年齢を重ねた肌には少し強すぎる場合があります。特に、全身を原色でまとめると、服だけが浮いてしまい、かえって違和感を与えてしまうことも。
原色を取り入れる際は、バッグやストール、靴といった小物で差し色として使うのがおすすめです。少量であっても、着こなしのアクセントとなり、おしゃれな印象を与えられます。
シーン別に見た50代が着てはいけない色
ビジネスシーンで不適切な色
ビジネスの場では、信頼感や落ち着きが求められます。そのため、ネオンカラーや極端に明るい蛍光色は避けるのが無難です。これらの色は、見る人に落ち着きのない印象を与えてしまう可能性があります。
ベーシックなネイビーやグレー、オフホワイトを基調としながら、小物で上品な色を添えるのが、洗練されたビジネススタイルを築く上でのポイントです。
フォーマルシーンで浮いてしまう色
結婚式などのフォーマルな場では、マナーをわきまえた色選びが重要です。純白は花嫁の色とされるため、ゲストは避けるのが一般的です。また、葬儀の場では、黒が基本であり、派手な色や柄は不適切です。
それぞれのシーンに合った色のマナーを理解し、適切な色を選ぶことが、品格のある振る舞いにつながります。
カジュアルシーンで避けたい色
リラックスできるカジュアルシーンでは、色選びも自由度が高まりますが、注意したいのは安っぽく見えてしまう色の組み合わせです。例えば、安価な素材のアイテムと派手な原色を組み合わせると、全体が安っぽく見え、だらしない印象を与えてしまうことがあります。
素材感やシルエットにこだわった上で、自分の肌に合う色を取り入れると、ぐっと洗練されたカジュアルスタイルが楽しめます。
50代の魅力を引き出す色選びのポイント
ベーシックカラーの活用方法
ネイビー、グレー、ホワイト、ベージュといったベーシックカラーは、50代のスタイルを支える土台となります。これらの色は流行に左右されず、着回しが利くため、クローゼットの中心に据えるべき色です。
同じベーシックカラーでも、素材をウール、シルク、カシミヤなどと変えることで、単調にならず、上品さを演出できます。
差し色で取り入れるべき色
ベーシックカラーに、顔色を明るく見せる差し色を加えることで、一気におしゃれな印象になります。例えば、黄みがかった肌にはターコイズブルーやコーラルピンク、青みがかった肌にはラベンダーやロイヤルブルーなどがおすすめです。
ストール、スカーフ、ネックレス、バッグなど、顔周りや手元に小さな面積で取り入れると、全体のバランスを崩さずに華やかさをプラスできます。
季節ごとのおすすめカラー選び
季節感を取り入れた色選びも大切です。 春・夏は、パステルカラーやペールトーンといった明るく涼しげな色が映えます。 秋・冬は、ボルドー、マスタードイエロー、深みのあるグリーンなど、暖かみや深みのある色が季節にマッチします。
季節の移り変わりに合わせて色を意識することで、ファッションをより楽しむことができます。
まとめ
50代からの色選びは、単に流行を追うだけでなく、自分の肌の色や、着るシーン、そして何より自分自身をどう見せたいかを考えることが大切です。ここで挙げた「避けるべき色」は、あくまでもより良い色選びのためのヒントです。
色を味方につければ、年齢を重ねたからこその落ち着きや深み、そして知的な魅力を引き出すことができます。ぜひ、色を楽しみながら、自分らしいスタイルを確立してください。
